多角化ではなく、専門化。フォーカスの重要性とは?
ビジネスにおいて、フォーカスすることがいかに重要かを理解していたはずなのに、いつしかそれを忘れてしまい、複雑な製品や事業内容になってしまうケースは多々あります。 今回は、フォーカスの重要性について考察します。
フォーカスの重要性
限られた資源を1点に集中投下することによって、市場開拓のスピードが上がり、市場シェアを伸ばしやすくなります。そして、「〜といえばこの会社」というブランドイメージも構築しやすくなります。 もし、フォーカスを失い、資源を分散してしまえば、ひとつの事業にかけられるお金や時間が減ってしまい、製品の改善スピードや市場の開拓スピードが遅くなってしまいます。 特定の分野・属性へのフォーカスは、推進力を生み出します。
なぜフォーカスを失ってしまうのか?
フォーカスした状態を保つためには、保つための努力をしなければなりません。実際、フォーカスの重要性を理解しているはずなのに、フォーカスを失い、自ら本来の強みを捨ててしまうケースもあります。それはなぜでしょうか。
それは、“利益を増やしたい”という成長意欲を正しく扱うことができず、戦略ミスを犯してしまうからです。 “利益を増やしたい”と考えた時にありがちなのは、ラインの拡大、多角化という戦略を取ってしまうことです。既存事業で成功した経験が次なる挑戦意欲を駆り立てる一方で、何をやってもうまくいくという勘違いを生み、フォーカスのない多角化を行ってしまいます。たしかに多角化を進めることで、短期的に利益は上がります。 しかし、長期的に見れば、この戦略はうまくいかなくなる可能性が高いです。なぜなら、時間の経過とともにその市場にはフォーカスを絞った後発製品が出てくるからです。フォーカスを絞った製品は、特定の課題を最も簡単に解決することができます。そうなれば、中途半端な製品は選ばれづらくなり、生き残っていくことができません。
私たちは、「〜といえばこの会社」というイメージをどうやったらいち早く築くことができるかを考えなくてはなりません。特定の何かにフォーカスできれば、それが独自の優位性となり、長期的な利益に繋がるのです。デパートを目指すのではなく、専門店を目指しましょう。
おわりに
一言で言い表せる会社になる
自社や自社の製品を一言で言い表すことができなければ、フォーカスを失っている可能性が高いです。 理解するのが難しかったり、複雑すぎないか。シンプルなコンセプトがあるかを振り返りましょう。 たった一言で表すことができれば、顧客にも記憶されやすくなります。
専門化することが市場シェアの低い企業の生き残る道です。面ではなく、点で勝負する必要があります。 自社製品のフォーカスが失われていないか、自問自答してみましょう。