少人数でビジネスを成長させる方法
起業すると、「大きいことは良いことだ」という考え方に囚われてしまい、知らず知らずのうちに組織を大きくすることを目指してしまうかもしれません。本記事では、少人数で会社を運営する利点について考察し、最小人数でビジネスを成長させる方法についてまとめます。
「組織を大きくしない」という選択
一昔前は、例えば何かお店をやろうと思った時に実店舗を借りる選択肢しかなく、大きな投資が必要でした。しかし、今ではオンラインショップを少ない投資で開くことができます。 また、以前は資金力のある大企業だけが利用できた最先端技術も、Amazon や Google といった企業が提供するサービスを活用することで、低価格で自社のビジネスに組み込むことができます。 テクノロジーが進歩した現代においては、もはや組織の規模は関係なく、誰でも全世界に向けてサービスを提供することが可能になっています。 私たちも3人という少人数で会社を運営し、数百社の顧客を抱えるサービスを提供しています。小さな組織のままでいることのデメリットは、テクノロジーが補ってくれるようになったと感じています。
製品を大量生産する場合など、組織を大きくすることで、スケールメリットを享受することができます。しかし、組織が大きくなることで、官僚主義や余計な承認ルールが生まれ、組織の機動力が損なわれてしまうこともあります。
多様化する消費者のニーズに応えていくには、“組織の適正な規模を見つけ、身動きの取りやすい組織でいること”が何より重要です。 「組織を大きくしない」という選択が、現代を生き抜く上での有効な生存戦略になることもあるでしょう。
少人数でビジネスを成長させるには?
少人数で会社を運営しているからといって、収益の拡大を目指していないわけではありません。組織の規模に関係なく、ビジネスを成長させるにはどうしたらいいのでしょうか。その方法をいくつかご紹介します。
・得意なことに専念する
メンバーそれぞれが何かしらの分野や技術に特化しているのが望ましいです。自身の強みとなる専門知識や技術を磨き、価値を生み出すことに専念しましょう。弱みは誰かにカバーしてもらえばいいと割り切ることが重要です。
・徹底的にアウトソーシングする
ある業務を自分がやるのと同じ程度かそれ以上の質でやってくれて、かつ費用面でも効率が良い場合は、アウトソーシングしましょう。コアとなる機能以外は、徹底的にアウトソーシングし、自分は最も価値を発揮できる業務に集中します。
・業務、サービスをシンプルにする
日々の業務を出来る限り簡略化することが大切です。そのためには、「今の業務の進め方は最適か?」という問いを常に自分自身に投げかける必要があります。簡略化するということは、余計な業務を省くということであり、業務スピードの向上に繋がります。 また、提供するサービスからも複雑さを排除し、シンプルさを追求しましょう。顧客に概要を理解してもらうのに時間がかかったり、操作方法が複雑な場合、必然的にサポートコストも大きくなり、余計な人的リソースが必要になってしまいます。
ホームランを狙わない
VCからの資金提供を受けると、必然的に急成長を求められ、売却かIPOを目指すことになります。VCからの資金提供を受けるということは、そういうレールの上に会社を乗せるということになります。 もし、あなたが急成長を遂げたいわけでもなく、多くの従業員を雇いたいわけでもなく、投資家と共同で経営権を持ちたくないのなら、VCからの資金提供を受けずに事業を進めた方が良いでしょう。
壮大な目標について考え、ホームランを打つ準備をして前進する方法もあれば、シングルヒットやツーベースをコツコツ積み重ねて、着実に前進する方法もあります。 あなたが何を志向するかによって進み方が変わります。自分に合った進み方を選びましょう。
些細な変化に気づき、失敗を防ぐ
順調にビジネスを成長させることができたとしても、些細な変化をきっかけに失敗することもあります。 その変化とは、市場や顧客、自分自身の変化です。
市場と競合の動きを注意深く観察したり、顧客と頻繁に話すことで、ニーズの変化をいち早くキャッチできるようにします。そして、自分自身の中で「成長できたことに対する自己満足」が生まれていないかも確認します。 物事がうまくいっている時は、成功の理由を立ち止まって考えることはあまりなく、悪い兆候も見て見ないフリをしてしまいがちです。 過ちに気づかず、認めず、改善しないことが失敗を招く最大の原因になるため、冷静に状況を把握することが大切です。
おわりに
今回は、少人数でビジネスを成長させる方法について書きました。 あえて小さな組織に留めることは、この変化の激しい現代を生き抜いていくための生存戦略として有効かもしれません。 これまでもそうですが、これからはますますスピードや柔軟性がものを言う時代になっていきます。
私たちはこれからも少人数でより高い成果を出すことを大切に、会社運営を続けていきます。