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2020/01/27

ブートストラップのビジネス Vol.1

新しく会社を立ち上げる際、立ち上げる方法には様々な形式があります。その中で、弊社はブートストラップと呼ばれるビジネス形態で運営しております。本記事では、 ブートストラップビジネスを始めるにあたって準備すべきことをまとめます。

ブートストラップとは

ブートストラップとは、外部からの資金提供を受けずに自分たちの資本で 100% 会社を所有する企業形態のことを指します。

ブートストラップの経営では、自分たちの資本100% で企業が経営されているため、会社の全ての判断を自ら下すことができます。

その反面、この形態で起業をすると、貯金がどんどん無くなっていく不安と戦わなければなりません。さらに、すぐにお金持ちになることはできません。そのため、会社継続のために、一時的にキャッシュを得る他の仕事と同時並行で進めていく必要が出てきます。ブートストラップ起業では忍耐力と果敢な実行力が必要です。

参考までに外部から資金を得るという選択をする場合には、以下のような方法があります。それぞれに利点・欠点がありますので、事前によく調べてから資金の提供を受けるようにしましょう。

  • 銀行などからの借入
  • 友達や家族
  • エンジェル投資
  • ベンチャーキャピタル

いつ起業をするか

まず、ブートストラップで起業するのは、意志さえあれば “いつでも” できます。そのため、「今が本当にブートストラップするのにいいタイミングかどうか」は考える価値があります。

タイミングに関して以下のことを考えてみましょう。

  • 起業をするメインの理由は何ですか?
  • 友人・知人にはどんなことを言われていますか?
  • 数ヶ月収入がないとパニックになりますか?逆にどの程度収入がなくても問題がないですか?
  • 直近でビジネスにする価値のあるアイディアがありますか?
  • 自分の持つ強みは何ですか?
  • 普段のデイリーワークを差し置いて、今どのくらいの時間をかけられますか?

無理して今始めるよりも、まずはじっくりと資金や人脈を貯めてから始めても遅くはありません。もちろん、いつまでも怖がって始められないということも起こり得ますが、その恐怖を乗り越えなければ、成功した起業家になることはできません。

どのアイディアでブートストラップするか

ブートストラップでの起業に限りませんが、ビジネスを始めるにはどんな内容で勝負するのかを決める必要があります。

資金を得て多くの人を巻き込んでする起業と、ブートストラップでの起業の大きな違いとして、個人のモチベーションの重要性が挙げられます。ブートストラップでは関わる人数が少ないため、始めたビジネスに対する意欲が減ってしまうと、その時点でビジネスが成長しなかったり終了してしまうためです。

まず、あなた自身が熱くなれることを探してみましょう。次に、自分の強みをその熱くなれることに対してどう組み合わせれば良いかを考えます。そして、大きな目標やゴールを定めましょう。これは、あなたのビジネスをより大きくするために必要なことです。 ただ、「お金」を目的にすべきではありません。お金は結果であって目的ではないからです。

また、アイディアを考える上でビジネスのトレンドを知ることが重要です。トレンドに合ったビジネスをすることで、自然とビジネスをスケールさせることができます。トレンドを知るために、未来志向の方に話を聞いたり、未来を作る10代の人と会って話したり、業界のカンファレンスに参加をしたり、SNS のトレンドのパターンを探し出したりすることで見つけてみましょう。 このトレンドに逆らうと、自然な成長を生むことができません。もし市場のトレンドが変わったら、自分たちのビジネスも変わっていく意識を持ちましょう。

The Five Forces Model

会社を経営するにあたって、重要な5つの関係者が存在します。それぞれの質問に対してしっかりと答えられるようなビジネスを検討・構築していきましょう。

1. 業界の競合
今のビジネスにおいて、どの競合がマーケットを占めているか?あなたのビジネスはその競合と何が明らかに違いますか?自分たちのプロダクトに他からの壁を作るにはどうすればいいですか?その市場は競合を含めて全体として伸びていますか?他の人も簡単に競合になれるビジネスですか?

2. サプライヤー
より良い値段で仕入れるための工夫がありますか?競合よりもいい値段で交渉ができますか?リスク分散のため複数のサプライヤーと契約していますか?

3. バイヤー
ターゲットとなるバイヤー(顧客)は、値段によって購入先を変える傾向が強いですか?プロダクトにプレミアムな価値をつけて値段に左右されないようにできますか?

4. 代替
顧客は他の商品に置き換えたりしますか?自社のプロダクトを他社のと同時に使うことはありますか?

5. 潜在的な応募者
自社のプロダクトが競合より良いことをどうやって知ってもらいますか?どうやって競合よりも目立つことができますか?理想となるチャンネル(Web/メール/SNS/YouTube etc..)は何ですか?

ルールを決めよう

例え一人で起業したとしても、ルールを作ることが推奨されています。ファイナンスや文化、採用、役割、責任、イグジット、時間の管理などが挙げられます。

もしこのルールを破らなければならないようなことが出てきた時、それは起業をした当初の思いに反することをしようとしているリスクがあります。本当にこれからやろうとしていることは、自分の理想を実現できるのか。ルールを設定することで、初心を思い返すことができます。

終わりに

本記事では ブートストラップ形態のビジネスを始める上で意識したいことをまとめました。

執筆にあたり、以下の本を大いに参考にしました。もし興味があれば読んでみてください。日本でもブートストラップのビジネス形態が増えていくことを願っています。

Bootstrap Business (English Edition)