BtoB マーケティング入門
こんにちは、デザイナーの畠です。 今回は BtoB におけるマーケティングに関する話をしたいと思います。
セルフリーでは CallConnect という主に企業の問い合わせ窓口で利用される電話サービスを提供しています。リリースした当初は SaaS や BtoBマーケティングに関する知識も少なく、 色んな方の話やブログを読んだりしながら学んできました。 そして、少しずつ学んだ内容を行動に移し、結果として現在では自社サービスのみで会社運営ができるような体制になってきました。
BtoBの事業にご興味のある方、これから始めようとしている方に少しでも BtoB マーケティングのイメージを掴んでもらえればと思います。
営業の役割の変化
まずはマーケティングの話をする前に、営業の役割の変化について触れていきます。
ここ5年、10年の間に情報取得手段は大きく変わってきました。BtoB領域においてもその影響は少なからず出てきています。例えば、製品カタログ一つとってみてもこれまでは営業担当がわざわざ見込み顧客の元に持っていっていったり、郵送していたのは遠い昔のことではありません。
しかし、現在は顧客が自らPDFのカタログをオンライン上でダウンロードすることで、会社にいながらサービスの情報を得ることができるようになりました。
昔は情報取得手段が限られていたため、営業からの情報は重宝されていたのですが、今ではweb上で簡単に競合サービスも検索できてしまいます。営業は単に情報提供するという役割ではなく、コンサルティングなど、プラスアルファの技能が求められるようになってきました。
マーケティングの役割は?
では、マーケティングはどのような役割を担うのでしょうか?(ここでいうマーケティング活動は、営業やマーケティング・広告などユーザーに製品を契約してもらうためのすべての活動を含めています。)
今後のマーケティングに求められる役割は、“営業の省力化”と言えます。人的コストがかかっていたものをいかにオンラインのフローに組み込めるか、そしてそのフロー全体を設計し、課題のあるものを常に改善していく、そんな役割が求められているように思います。
<営業の省力化のメリット>
①人的コストの削減
例えば情報提供の際に毎回行っていた見積もりの作成をオンラインでシミュレーションできるようにすれば、毎回人が作成するコストを大きく削減することができます。
②時間の削減
これは①と似ていますが、オンラインで情報を提供すれば、営業が移動の時間をかけて顧客のところに伺う必要がなくなります。
③仕事の柔軟性があがる
ネット環境のある場所ならどこでも仕事ができるようになれば、働き方の自由度が拡がります。自宅やコワーキングスペースで仕事をするなど、働き方の柔軟性にも繋げられます。
BtoBで行われるマーケティング施策
では、具体的な施策にはどんなものがあるのでしょうか?いくつかご紹介します。
・オンラインセミナー(ウェビナー)
インターネットを利用してWeb上で行うセミナーや講演会、研修のことです。参加者が実際に開催場所に足を運ぶセミナーとは異なり、場所の制約を受けませんので、より多くの人に向けて情報を発信できます。
・ホワイトペーパー
日本語で「白書」。政府や官公庁が取り組む課題、調査、研究結果などの報告書を意味しますが、企業においてもその役割はほとんど変わりません。 性能比較、事例紹介、技術資料、市場分析、統計資料、調査データなど、製品やサービスの売り込み説明ではない、製品やサービスの意味や位置づけ、業界の動向などを広く顧客に情報提供するツールです。
・テレアポ
これまで接点を全く持っていない新規の相手に対して、電話営業を行う仕事です。少しずつ下火になりつつある方法ですが、新規獲得の手法としてまだBtoB領域では使われている手法です。
具体的な実施、検証の流れ
下記は、とある企業が行っている施策をマップにしたものです。
・各施策を俯瞰できるように整理する。
・各施策がどこに落ちていっているのかを考える。
・効果的な施策・課題のある施策を見極め・改善する。
上記がマーケティングに求められる役割で、具体的な施策を下記のように考え、PDCAを回し続けることが大事だと言えます。
契約につながったものから振り返っていく。
最初から施策の全体像が見えているということはありえませんし、どんな施策が有効かというのもやってみないと分かりません。 まずは契約につながった施策にどんなものがあるか、後から振り返られるように件数だけでもメモしておきましょう。左から右に流すのではなく、最初は右から左に施策を検討・実行していく中で、徐々に整理していけば良いのです。
資産を活かそう。
最初はどんな会社も自社のサービスを使ってもらうために必死になって施策を打ち、顧客獲得につなげていくことでしょう。その中で意識した方が良いこととして、“資産を活かすこと”が挙げられます。 例えば、営業が顧客に渡していた資料が顧客に重宝されているのであれば、それを改良してホワイトペーパーを作ることができるかもしれません。また、学んだことを日々ブログに書く中で自社のユーザーが喜びそうな内容があれば、それをメディアとして切り出して展開していくこともできるでしょう。さらに、そこにホワイトペーパーダウンロードのリンクを入れることもできるかもしれません。 このようにすれば、各施策を0から作っていく手間が省け、これまでの資産を活かした施策を数多く実行することも可能でしょう。
自社に眠っている資料などを見直し、オンラインで提供していないものがあれば有効活用することも考えてみてはいかがでしょうか。
マーケティングを難しく考えず、できることから少しずつ始めて、それを整理しブラッシュアップしていけば良いという意識で気軽に取り組んでみてはどうでしょうか。