スタートアップ初期のセールス担当者が担う役割とは?
こんにちは、小俣です。 2月20日(火)に開催された「SALES HACK vol.3」に登壇してきました。本記事では、そこで発表した内容について簡単に共有します。
「SALES HACK」とは?
セールスハックは、「営業」「スタートアップ / ベンチャー」「異業種交流」をキーワードにした、セールスパーソンのための情報交換コミュニティです。
3回目のテーマは、「急成長SaaSベンチャーに学ぶ!スタートアップ初期のSMB大量獲得」でした。
“急成長SaaSベンチャー”というくくりでお呼びいただいて大変恐縮だったのですが、SaaS ( CallConnect )のセールスにおいてこれまで実践してきたことを中心に、スタートアップの初期フェーズでセールスが担う役割にはどういったものがあるかということについて発表させてもらいました。
スタートアップの初期フェーズによくある課題
私たちがブラウザ電話システム「CallConnect」をリリースしたばかりの頃もそうでしたが、初期フェーズにおいてはこのような課題を抱えているケースが多いのではないでしょうか。
「顧客を定義できていない」 「顧客の課題を明確にできていない」 「課題を解決するのに十分なプロダクトではない」
いくら事前調査してわかった気になっていたとしても、実際にサービスをリリースしてみるまではわからないことも多々あります。 「これはイケる!」と思い込んでいたところで、全く必要とされずに、サービスがクローズしてしまう場合だってあるでしょう。 サービスクローズという最悪の自体を防ぐためにも、初期フェーズにおいては必ず自分たちの仮説を検証していかなければなりません。それに加えて、ユーザーが抱える課題をより深く理解するというのも重要になってくるはずです。
では、どうやったら初期フェーズのこのような課題を解決していくことができるのでしょうか?
セールス(顧客と話すこと)を通して解決する
自分たちの仮説が正しいかどうかは、実際に顧客と話す中で判断していくことができます。そのため、スタートアップの初期フェーズにおいては顧客と話す機会を少しでも多く作っていく必要があると私は考えています。 製品を売り込むというより、顧客の話を注意深く聞くことに集中し、会話の中で「顧客の本当の課題は何か」「この製品はその課題を効果的かつ簡単に解決しているのか」ということを検証していきます。 きっとこの過程を踏まないことには、本質的な製品改善や顧客を定義するということも難しいように思います。
一般的には、“セールス=売り込むこと”という概念ですが、セールスハックというイベントや私たちの中では“セールス=顧客と話すこと”となっています。 セールス担当者は、率先して顧客と話す場を作り、その中で製品の魅力を伝えるとともに、価値あるフィードバックを持ち帰ってくる必要があるでしょう。
セールス担当者の日頃の意識や活動の質によって、事業成長のスピードや製品品質も大きく変わってくるでしょう。優秀なセールス担当者がいるかどうかは、スタートアップにとって死活問題とも言えるのではないでしょうか。
セールス担当者が担う3つの役割
では、スタートアップの初期フェーズにおいてセールス担当者はどのような役割を担っているのでしょうか?
1. 間違った顧客の獲得を防ぐ
サブスクリプション(継続課金)型のビジネスにおいては、顧客にいかに継続利用してもらうかが重要です。当然、解約の原因となるような製品のバグ、低品質なサポート体制というのは直ちに改善していく必要があります。 しかし、そのような対策を講じる前にもっと気をつけるべきことがあります。それは、そもそも正しい顧客(正しいターゲット)を獲得できているかどうかということです。 ターゲットではない人に半ば強引に契約してもらっても、先々で必要以上のサポートコストがかかったり、すぐに解約につながったりと、かけたコストに見合わないという事態が起きます。 このような事態を防ぐためにも、セールス活動を通して正しい顧客像を定義していく必要があるでしょう。セールス担当者は、顧客と話す過程で顧客像を明確にし、間違った顧客の獲得を防ぐという大切な役割を担っているのではないでしょうか。
2. 顧客が Wow! となるポイントを把握する
顧客と話す中で、顧客が抱える本当の課題も見えてくるはずです。そして、製品を紹介した時には、「製品のどの部分が刺さっているのか」ということも明らかになってくるでしょう。もしかしたら、自分たちが考えていた部分とは異なった部分が顧客に刺さっていたということもあるかもしれません。 顧客が製品の価値を感じるポイントをセールス活動の中で明らかにできれば、その価値をいち早く顧客に体験してもらえるようにトライアル時のフローを改善していくといったこともできるでしょう。結果として、製品の価値が理解されやすくなり、導入スピードも早くなっていくのではないでしょうか。
3. 製品改善の旗振りをする
セールス担当者は、セールス活動の中で顧客から様々なフィードバックをもらいます。そのため、それらのフィードバックを社内に共有し、製品改善のきっかけを作るという重要な役割も担っているように思います。そして、顧客の声を一番よく知る人間、代弁者として、先頭に立って製品改善を推し進めていく必要があると私は考えています。製品改善をエンジニアやデザイナーだけに任せるのではなく、セールス担当者がその旗振り役を担うことがスタートアップ初期においては重要ではないでしょうか。
おわりに
今回は、先日行われた「SALES HACK vol.3」で発表した内容について共有しました。当日は、セールスという切り口で私たちが具体的にやってきたことについても発表しましたが、その点についてはまた別の機会に共有したいと思います。
スタートアップ初期のセールス担当者は、単に製品の導入先を獲得するだけが仕事ではありません。積極的に顧客と話し、製品やビジネスモデルの検証を行っていく重要な役割を担っていると私は考えています。 今回登壇させていただいた「SALES HACK」ではこのような観点から“セールス”を捉えているので、ご興味ある方は次回以降参加してみてはいかがでしょうか。
私たちも顧客との会話を大切に製品を改善し、今後も着実に成長していきたいと思います。