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2018/02/21

スモール SaaS の Web 最適化

セルフリーは、デザイナー、エンジニア、代表で構成された3人の会社です。
2015年7月に ブラウザ電話システム 「CallConnect」 をリリースし、現在は受託開発を行わず、自社サービスの収益のみでまわっています。
数十名のスタッフがいる会社に比べたら、当然マンパワーはありません。開発・サポート・企画もすべて3人で行っているので、セールスに多くのコストを割いて新規営業をかけて獲得するというやり方は合いません。

そこで、無駄なことを省き、効率良く顧客を獲得できるような仕組みを作っていくことに注力してきました。
その中でやってきたことの一つに、「Web の最適化」があります。
ここでは企業向け(BtoB)サービスの CallConnect で行ってきた改善の内容をご紹介します。

ちなみに、私自身は前職で百貨店の Web サイトデザインの受託を行う会社に6年ほど勤め、セルフリーに2015年1月にデザイナーとして加わりました。
BtoB の自社サービスを立ち上げるというのは初めての経験でした。

トライアルの最適化

その1 フォームをシンプルに。

トライアルプランへの申し込みフォームを設けるBtoBサービスも多いでしょう。
では、その入力欄にはどんなものを入れるべきでしょうか?
会社名、名前、業種、部署名、電話番号、メールアドレス、従業員数から個人情報保護のチェックまで、様々な項目が思い浮かびます。
BtoB のサービスを調べてみると、十数個の項目を設けているものもあります。短い方が良いだろうなと思いつつも、実際作る側に立つと業種も入れてもらえば後で整理しやすいだとか、 BtoB だからある程度項目があっても入れてくれるんじゃないかとか、色々なことを考えてしまいます。

最低限の項目にする。

ユーザーの入力の手間を軽減することにフォーカスをあて、CallConnectでは入力項目を減らしました。以前は 10個近い項目を設けていたのですが、必要最低限のものだけにすることで、トライアル数を増加させることにつながりました。

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Salesforce の入力フォームに従業員数や役職名があるのは、そこで得た情報をしっかりと整理し、今後のマーケティング活動に活かせる体制が整っているからだと思われます。

その2 サービスのコア体験までを最短に!

トライアルプランに入ってくれたユーザー全員がサービスの機能を全て理解し、試してくれるわけではありません。そこで、まずはサービスのコアとなる価値を体験してもらえるようにフローを改善することにしました。

CallConnect においては、すぐに通話ができること、そしてその通話の録音とメモがその場で確認できることを最初のコア体験としています。
いち早くコア体験をしてもらえるようにフローを改善したことで、一度も通話をしないでトライアルを終えるユーザーの割合を減らすことができました。

その3 アップグレード導線をわかりやすく。

コア体験を経て、せっかくサービスを気に入ってもらえたにも関わらず、有料プランへのアップグレード導線がわかりづらければ、そこで離脱が生まれてしまいます。

CallConnect では、14日間のトライアルプランを用意しています。その中で、トライアル期間が終わってから、「継続して使いたかったんだけど、どうしたら良いですか?」という問い合わせがくることが度々ありました。
メールで「残り1週間です」といったことはお知らせしていたのですが、うまく伝わっていなかったようです。 期間内でアップグレードの有無を判断してもらうためにも、アップグレード導線を分かりやすくすることは非常に重要です。

そこで、私たちはトライアルの管理画面のヘッダーに、残りの期間とアップグレードへの導線を表示することにしました。いつまでに判断しないといけないのか、どうしたらアップグレードできるのかという2点をわかりやすくすることで、コンバージョン率のアップを実現することができました。

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現状

テレマーケティングなどのアウトバウンド型の営業は全くしていない状況で、グラフのように継続的な成長を続けることができています。また、サービス導入前に実際にお会いするというケースも、直近の有料契約50社の内2社程となっています。
今では、トライアル導入までたどり着いたら、基本的にはノータッチでアップグレードしてもらえるような体制を作ることができています。

Web の最適化を図ることで、少ない人数でもサービスを継続的に成長させることができると思います。
トライアルプランといったサービスへの入り口部分でユーザーがつまづいてしまうと、その先で得れたであろうユーザーからのフィードバックも得られません。
世間一般ではよく言われているような内容かもしれませんが、日本のBtoBサービスを見てみると、トライアルのフローが複数ページに渡り、中々始められないなど、もったいないなあと感じるようなこともあります。

Web上でのコンバージョン率に課題を感じている方がいれば、ぜひ参考にしてみていただけると嬉しいです。