Twilio Video のよくある質問と回答
こんにちは、本間です。
先日、Twilio ビジネスセミナーで Twilio Video と Chat についてお話ししたところ、特に Twilio Video に関してのご質問を多く頂きましたのでその回答をまとめます。
Twilio Video の採用を検討している方の参考になれば幸いです。
Twilio Video は現段階でストリーミングサービスは作れない
実装したい内容を聞くと、「一つの映像を不特定対数の人に”配信”したい」という要望をよく聞きます。”Video” というイメージでそのようなことができるとお考えの方が多いのかもしれません。
まず回答を申しますと、現段階の Twilio Video では不可能ということになります。 Twilio Video はあくまで 2~4名がそれぞれの PC のカメラから自分の顔を映して同時にビデオ通話をするためのフレームワークです。
簡単な実用例を挙げると、1対1の家庭教師のようなイメージです。お互いの顔が見えてそれぞれが通話できるようなものをイメージすると良いでしょう。大学の講義のように、1人の先生が多数の生徒に授業を教えるような作りは今の所できません。
“今の所”と言っているのには理由があります。 Twilio Video は裏で WebRTC と呼ばれる HTML の新しい仕様がベースとして動いています。この WebRTC の仕組みを使えば、確かに配信の仕組みを作ることができるのです。Twilio Video があくまで 配信の仕組みができるような作りになっていないというだけです。
そして昨年、今後のビデオ配信機能の実現に期待が持てそうな技術を持っている企業を Twilio は買収しています。これにより、もしかしたら配信サービスが Twilio Video で作れるようになるかもしれません。その時はまた本ブログで報告します。
Twilio Video でも 開発の知識は必要
“Twilio Video を使えば、簡単にビデオ通話の仕組みができるんでしょう?”と思われる方が多いです。
確かに、今までの ビデオ通話機能の開発よりかは幾分楽になりますが、全てが簡単になったわけではありません。
Twilio Video を扱うにしても、必ず Twilio とやりとりするための Web サーバーが必要ですし、当然 HTML/CSS/JavaScript の知識も必要です。とりわけ JavaScript は Twilio のドキュメントを読みながら正確に実装する力が求められます。
Twilio Video を使ったからといって、その裏で動いている WebRTC のことを全く知らなくてもいい、というわけでもありません。最低限の WebRTC の動作原理を理解し、そこで用いられる用語などもある程度把握していないと開発はとても難しいものとなるでしょう。
Twilio が設計した設計書通りに正しく実装する力が求められます。
Twilio Video の本当の強みはどこか?
WebRTC を使ったビデオ通話の仕組みを実現できるフレームワークは他にもたくさん存在します。WebRTC の登場から何年も経ち、Twilio Video は他のサービスに比べて後発の部類です。そんな中で私たちが何故 Twilio Video を使うべきなのでしょうか。
これは、他の Twilio サービスとの連携が最も大きいと私は考えています。Video と Chat, Video と電話など、 Twilio には他のコミュニケーションチャネルを同時に実現するための仕組みを提供してくれています。これらをうまく組み合わせることで、今まで WebRTC 単体では実現できなかったようなことが、 Twilio を使って実現できるようになるのです。
特に電話は Twilio の真骨頂とも言える強みです。皆さんのアイディア次第で Twilio Video は非常に有効に活用できるようになることでしょう。素晴らしいコミュニケーションサービスが日本でも出てくることを楽しみにしています。
We can’t wait to see what you build.
Twilio は私たちの作るサービスを心待ちにしています。ぜひ新しい Twilio のサービスに注目してみてください。